コロイド系の新しいシミュレーション手法

コロイドとは 10-1000 nm の微粒子が液体に分散した状態をいい,塗料・食品など身の回りに広く存在している.コロイドなどでは液体を介して,粒子の運動が互いに影響を及ぼしあうことが知られており,これを流体力学的相互作用という.数値シミュレーションはコロイドを研究するのに非常に有効な手段であるが,この流体力学的相互作用をうまく取り入れることは容易ではない.その一番の原因は,液体と固体,またはその境界の運動を同時に解かなければならないことである.そこで,我々は固体であるコロイドを分散媒よりも粘性の高い変形しない液滴として表現することで効率よくコロイド分散系を扱うことができるハイブリッドな数値シミュレーション法を開発し,流体粒子ダイナミクス法と名付けた.図は,この流体粒子ダイナミクス法を用いて行ったコロイドの凝集過程を調べたものであり,流体力学的相互作用によってコロイドはネットワーク構造を形成することを示している.流体力学的相互作用のようなポテンシャルでは記述できない相互作用が(準)安定な構造形成に影響するということは,ソフトマターのような非平衡状態にある系の大きな特徴である.
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