ぬれと相分離
外場下での流体系の相分離(流動・温度勾配)
スメクチック液晶の動的構造制御
流体系の相分離は,他の相転移に比べ熱力学的な駆動力が弱いこともあり,ぬれ・ずり流動・電場・温度勾配などの外的要因に容易に影響を受ける.我々は,この振舞いを実験・数値シミュレーションによって研究を行ってきた.図は,数値シミュレーションによる水平に温度勾配を掛けた場合の相分離の様子である.セルの左端を相分離温度より高く右端を低くし,ほぼ中心が相分離温度になるよう設定した.低温部で相分離が起こると重力の影響で内部に対流が起こり,液体は低温部と高温部を行き来し,流れに乗った物質は相分離と相溶化を繰り返すようになる.流体系の相分離では,流れ場が相分離を促進するが,相溶化では流れ場の影響が小さく,主に拡散によってのみ進行し,その結果,相分離が優勢に進む.これは,系の平均温度が相分離温度より高いような状態でも,ある一端だけ冷却して対流が起こるようにすれば,できるだけ低いエネルギーで系全体を相分離させることが可能であることを示している.